このように1年間にわたる要件定義は奥を深めました。
それ以外でも「使いやすさ」という点で施主の株式会社ティアラ小野寺社長が
ログインする際にID/Passが必要なのを省けないかという意見があり、なくす
わけにもいかず、ここで考え付いたのは「二段階認証」となりました。
このログインですが、通報時ログイン時にだけ必要で、通常の登録情報の変更とは
違い必要となるものです。
理由は緊急時になったときにうっかり忘れること、また動揺して打ち間違える
こと、最悪緊急事態なのにログインできないということ・・・
確かに考えるとぞっとします。ユーザーが70代と想定するとそれもありうる
だろうと。そこで通報でのログインは二段階認証にし、急遽この改修のために
3週間を要して別途予算を作り装備しました。
これは最終的に正解だったと思います。
但しこの通報には1回24円かかるためにコスト増になってしまいます。
(1通8円X3人=24円)
端末の生体認証が高度になれば、いずれはそれでもよいかと考えております。
逆にいたずらや詐欺で、通報と見せかけて闇サイトにアクセスを誘導するような
ことも二段階認証で防げるという一面もあります。コストはかかりますが
二段階認証の採用はよいことしかありません。
これでログインすれば通報者の位置情報と「グループチャット」が表示されます。
ここではLINEを想定して、送信者の名前も敢てニックネームにしております。
通報者は通報者と表示
事前登録者はニックネームで登録してもらうように勧奨しているので
それぞれのハンドルネームとして発言の際に表示されます。
通報者は誰だかわからず、事前登録者同士は衆知でしょうから、これにより
全員のプライバシーは表面上保てます。
またこの情報はサーバに保管しません。保存する情報は通報時間と場所、
解決可否だけです
解決の際は最後に「引取完了通知」があり、これを押下することで本件関係者
全員に完了通知が送信されます。この通知を忘れると、翌日の朝9時に完了確認
の連絡が本件関係者全員に送信されます。
終わりよければ全てよしで、こちらも関わった後に「あのおばあちゃんどうなっ
たかな」と少なからず、その後が気がかりになるので最後に「完了したよ!」と
連絡があったらいいなというやさしい美人の奥さんからの提案がありました。
このようにそれぞれ各自、人それぞれで十人十色のご意見があるんだなと思い
システムで解決出来るものもあれば、運用で解決できるものもあるので、
皆さんからの意見に大変参考になりました。
またこの完了報告により、17時以降の対応についても市民同士で解決できる
環境ができたらと思います。もっというと24時間365日自動化できるようになれば
理想ですね。
現在もほぼ90%は警察署に保護されますが、初期段階で発見・通報してくれる
「善意の第三者」は23%いると言われております
この善意の第三者の行為を無にせずにデジタル化できたら最高ですね。
それは何も「見守りますクラウド」だけでなく、徘徊一人歩きに関した全製品の
根柢の思いだと感じております。
また保護されるまでの時間が短いほど生存率が高く、24時間を超過すると
その後の生存率は0%と発表されています。中には徘徊したまま1年を超える人も
8600人もいるのです!
しかしそれ以外の環境はシステムで変えられますので、二段階認証による通報と
位置情報の提供&グループチャットだけで7割くらいの工数減になると計算しました
◆自治体の高齢課担当者の工数
いかに時間を掛けないで解決するかというところが大きな問題です。
ある市役所のように徘徊が出ると家族から電話が入り、そしてその人の台帳を
ファイルから取り出して関係各所にFAX(1度に200か所に送信してくれるが
最終的に送信が終わるのは100分後)その100分の間に担当者には電話が
確認で入りながら対応して警察(または発見者)と対応するという具合です。
見守りますクラウドなら3分で終わります。ただしアクセサリーを持参してくれることが
大前提になりますが・・・ そのため、服に付けるとか何かしらの施策が必要ですが
残念ながら現在の人類にはこれ以上の方策はないようです。
限られた可能性の中で、きっとベターではなくベストなものが出てくると思います。
◆通報者の工数
通報者の方も110番通報すれば、個人情報を公開しないといけません。ただ
見守りますクラウドならそれは不要です。
◆保護する警察署の工数
警察官が徘徊一人歩き迷子さんを保護した際に、QRコード付きのアクセサリーを
所持していないか確認するように警視庁から通達が行きます。導入市町村は
全て警視庁に報告し、署員に通達いただくようにお願いしております。
◆徘徊者のご家族の工数
家族は通常ですと代表者に連絡が行く形になると思いますが、見守りますクラウドは
3名全員に通報されます。そしてグループチャットを利用し「私が行きます!」と
ここで共有するので、本来でしたら電話を双方で掛け合って連絡を取り合うので
錯綜せずに済みます。また各自のログインの状況もログイン後に確認できますので
全体を俯瞰して把握できます。
そして全員に楽でセキュアなシステムとして、ブラウザで作られているので機種を問わず
スマホでもPCでもタブレットでもiOSでもAndroidでもWindowsでもOK!Webアクセス
出来たらOKです。端末も問わず、特定のブラウザを利用しなければならないなど制約を
一切作らず、アクセサリーも単なるQRコードの札で、仕組みはクラウドに詰め込んだので
アクセサリーの充電、電池交換、水没などの心配は一切ありません。
毎日洗濯してもOKです。
◆ご本人の問題
いつ迷子になってしまったのかわからない場合もあり、もしそのままわからなくなっても
普段から「アクセサリー」を持参する習慣をつけることが重要です。そして徘徊し保護される
までの時間が短いほど生存率は高くなるので、私たちは安心してお出かけができる環境を
補助する仕組みとして「見守りますクラウド」を運営していきたいと思います。
また2025年75歳以上の後期高齢者人口が2,180万人、65~74歳の前期高齢者人口が
1,497万人に達し 国民の約3人に1人が65歳以上になるため、今までの対応数が急激に
増加し、そして独居老人の数も同様に増加するため、時間は重要になりそうです。
現在までの対応方法であれば、更に時間や人が必要となり、1人派遣さんを採用するより
安いコストで24時間運用出来る、そんな重要なメリットもあります。
このコストは税金ですから増えることもないですし、こことても重要ですね!
人口50万人の自治体ですと人口の2割が高齢者ですから10万人となり、その10万人が
ご利用いただいても、希望者だけが利用し1000人しか利用しなくても料金は同じなので
アクセサリー費用が嵩みますが、ここを解決したら全市民に使っていただきたい
サービスだと私は思っております。
最後に仕様が固まった時に、インドの友人の母が2009年から認知症で
意見を聞いてみようと思いSkypeしたのですが、基本的にインドで認知症の人は
少ないという返答でした。(もしかしたら日本も1960年代には外に出さないとい
う風習があったようで、それと同じかなとも思いましたが、なんとなく社会に
馴染んでいるのかとても驚きました。)
不思議だったので他の知り合いにも電話して確認しましたが同じ回答でした。
もしそれが事実なら、食文化(カレー中心のスパイス)と鉄板文化(調理は
鉄板、そして多くの加工食品の調理も鉄板を多様し鉄分多め)とインド数学、
生き方が影響しているのであれば、やはりインド流のすすめが知りたいなと思い、
一度区切りが付けばインドに家庭訪問してヒアリングしてみたいです。
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